――― Marky on the WEB

2002/10/01
若くて切れるヤツ

自分より若くて切れるヤツに出会うと、みんなどう思うのだろう。

僕は最近、自分より若くて切れるヤツに出会った。すごいよ。川中大輔君といってまだ大学生なのだがブレーンヒューマニティーというNPOを立ち上げ、現在その副理事長をやっている。とにかくよく勉強をしているし、実践もしている。

NPOとかボランティア活動をやっている学生はたくさんいるけれど「なんだかわからなくて、勢いでやっている」人は多くても、「理論ばっかりでなんにもしないお勉強君」は多くても、冷静に、状況をつかみながら、実践をつみかさね、自分たちの活動だけでなくNPO全般を見渡している人はそうそう多くはない。かつ、かなりの段階のNPOマネジメントを理解しているし、かつそれを社会に還元している。webサイトをみてもらえばわかるけれど、その力量は一目でわかる。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Sakura/3228/

僕は川中君と、国立淡路青年の家主催の「大学生のためのボランティアセミナー」でいっしょに講師をつとめた。もう1人の講師の同い年の山口君もまたすごいやつだということも手伝って、刺激的な3日間だった。

自分より若くて切れるヤツに出会うと、人は圧倒される。

僕も圧倒された。おぉ、すごい。「若いのによくここまでわかっているなぁ」とと思ったり、「えらいねぇ」とか言ったり、「何年生まれ?」とかって聞いて、おおげさに驚いたりする。

その圧倒が生むものは何だろうか?
ときにそれは、尊敬であり、羨望であり、次世代への希望でもある。
が、ときにそれは恐怖感やあつれきを生むこともある。ときには「年下なのにこんなにやりやがって、それにひきかえ自分は・・・」という焦りを生むこともある。ときには、「あいつのアラを探してやろう」という妬みや憎しみにも近い気持ちも引き出すこともある。

思えば、僕が川中君に出会って持った、さまざまな感情や、発した言葉は、普段多くの人から、僕になげかけられている言葉であることに気がつく。さんざん僕は、「若いのに・・・だね」とか言われたし「すごいね」と言われてきた。同時に、初対面で急に嫌われたこともあるし、「おまえみたいなやつはすかん」と正面切って言われたこともあるし、多くの同世代を焦らせてきたこともあるのだ。

いつだったか、ある女の子は泣いて僕に訴えた。「あなたの存在は、とてもプレッシャーなのよ。あなたを見ていると、自分がどんどん焦っていくのよ。どんどん自分がだめな人間に思えてしまうのよ。どうしてそんな位置にいるの? どうしてそんな風に話せるの?」。僕は首を縦にふることも、横にふることもできないでいた。

ときに自分が出過ぎたことをした後や、そのことによって傷ついたり焦りを感じる人がいたときには、深く悩んだこともあった。自分はまわりの人の枠からはみ出ないように、みんなと同じぐらいに生きていくのが、自分のためにも、まわりのためにも、いいのではないかと思うこともあった。話したくてもしゃべらないほうがいいこともあるんだろうとも思った。

出る杭は打たれる。これが日本社会だ。
でも、出過ぎた杭は打たれない。やはり僕は刺激物となろうと思う。

人を傷つけたいなんて、これっぽっちも思わない。
そのためにも、言い回しや、人やものへの接し方、視線の持ち方、生き方などをすこしづつ考えながらも、同世代や、異世代の人たちにとって、自分がいい刺激となるように、これからも生きていこうと思う。

こういうことを考えるチャンスをあたえてくれた川中君との出会いに感謝したいと思う。同時に、彼のおそらく「たいへんな」人生を応援したいと思っている。今後とも、よろしく。