――― Marky on the WEB

2003/1/13
1年間の使い方

2003年がはじまった。僕が仕事の拠点にしているワークショップ・ミューでは、毎年、年始めに年棒交渉をやっている。前年の働きを評価し、今年の仕事内容や年棒、働き方を決めていくのだ。社長と面接して一発できまってしまうので、なかなか緊張感がある時間だ。

年棒交渉をやるまえに過去1年間の時間をふりかえることにした。去年もやったのだが、これはたいへん面白い作業だ。まずは過去一年間のスケジュールを手元に用意する。僕の場合、ミューの仕事以外に、A SEED JAPANという環境NGOでの活動(ボランティア)や、ファシリテーターとしての仕事、それに完全に休みの日があるので、4色に色分けしてどんな一年をすごしたのかを見えるようにする。それぞれ何日分を割いたのかをあとで足し算すると、その年が僕にとってどういう時間の過ごし方をしたのかというのがよく分かる。

ちなみに過去3年間の経緯をみると面白い。

★2001年、つまり一昨年はこんな時間の過ごし方をしてた
ワークショップ・ミュー        270日
A SEED JAPAN             15日
講師・ファシリテーターとしての仕事   20日
完全な休日               60日
_______________________
 合計                365日

このとき、はじめて一年間をふりかったのだが、ずばり「これじゃあいかん!」と思って自分の働き方、時間の過ごし方を変えたいと思うようになった。だいいち、思っていた以上にミューでの仕事の時間が多すぎる。これじゃあ会社人間になっちゃう。もともと僕は「4分の3社員」という特殊な契約ミューと結んでいる。自分が仕事でつかう時間の4分の1はNGOでの活動や僕個人の仕事、4分の3はミューの仕事にしようね、という約束だ。そうやって会社のことばかりじゃなく、他のセクター、他の仕事をすることでミューにとってもプラスになるという仕組みだ。これはとても斬新で面白い雇用形態で、僕としても助かっている。ともかく、これじゃあいかん。もっとA SEED JAPANの活動に関わりたいし、ファシリテーターの仕事も増やしていきたいと思い、前回の年棒交渉では以下のような時間の過ごし方を提案した。

★2002年、昨年を以下のようにすごしたいと思った
ワークショップ・ミュー       200日
A SEED JAPAN            30日
講師・ファシリテーターとしての仕事  35日
完全な休日             100日
_______________________
合計                365日

つまり、ミューの仕事を時間的には減らして(仕事量てきにはあんまり減っていないので効率よくやったり、まわりのスタッフに協力をお願いしないといけないのだが)、A SEED JAPANでの活動を倍にし、ファリシテーターの仕事を倍近くにし、かつ、休みも増やそう!と計画し、それを受け入れてもらったた。

計画を実行するには、周りに周知しないと自分もやれないので、「今年はミューで働くけど、毎週水曜日は平日でもお休みし、他の仕事をします」とミュー内で宣言し、A SEED JAPANでは、「去年の倍は関わるようにするよ」と大見得を切り、かつ「もっとみんなも休もうよ」とよびかけていった。

とはいえ計画は計画。なかなかうまくいかないこともあるのだが、実績として2002年は以下のようになった。

★2002年の結果
ワークショップ・ミュー        214日
A SEED JAPAN             30日
講師・ファシリテーターとしての仕事   47日
完全な休日               73日
________________________
合計                 365日

ちょっと休みを犠牲にはしたが、それでも休日は増えた。思いがけず自分の主催事業がうまくいってファシリテーターとしての仕事が増えたというのが意外だったが、これもまたよし。なかなか悪くないものである。

こうやって、僕は年に1回、365日をふりかえって、「僕が本当に過ごしたい時間を過ごせているんだろうか?」を確認するようにしている。もちろん、このあとに単にどれだけの時間を過ごしたか、だけじゃなく、その時間内にどんな仕事をやったのか、というのを整理する。

ミハエル・エンデの物語「モモ」に出てくる「時間どろぼう」じゃないけれど、ほうっておくと、僕たちはどんどん流されて、どんどん忙しくなって、目の前のことに振り回されて、思ったような人生を送れないでいることもあるんじゃないだろうか?

もう少し、時間を「自分のもの」としてとらえて、自分が納得できるようにデザインできればいいなぁと思うのでした。

みなさんもよかったらやってみてください。