僕が仕事でおつきあいしている環境教育とかインタープリターの世界から学ぶことが沢山ある。
インタープリターというあたらしい職種を開拓してきたこと。開拓者同士の横のネットワークをつくってきたこと。情報や仕事を独占するのではなく、いっしょに仕事をすることや、情報を交換することにより、業界全体を大きくしてきたこと。そのノウハウを冊子や本にして普及してきたこと。実習生制度や、登録制度、協働による人材育成キャンプなどを通じて若手の人材を育ててきたことなど、実に多くの工夫をしている。
僕たちからみた世代論だが、この業界はいくつかの世代に分かれるように見える。第一世代は、まさに開拓者の世代。キープ協会の環境教育事業部や、ホールアース自然学校、国際自然大学校、NEOSなどを立ち上げていった世代。他の業界でもそうだが、第一世代は熱心で、熱狂的で、力づよく、ユーモアと行動力にあふれている。
そんな第一世代に鍛えられ、いっしょに活動することで育ってきたのが第二世代。開拓者たちの背中をみて、開拓者たちのスキルと思いを直接引き継ぐ世代だ。第一世代が「創造する」「突破する」力が強いのに比べて、第二世代は「受け継ぎ、育てる」「まとめる、調整する」力が強いように思われる。
だんだん業界が発展するにしたがって、第一世代はいそがしくなってくる。ネットワーク会議やら、全国レベルの組織の理事会やら、研修の講師やら、原稿の執筆だかで予定がどんどん埋まり、そうそう現場にいられなくなってくる。すると実質的には第二世代が現場をまわすようになっていく。
そういうプロセスを経て第二世代は成長し、次のスタッフを育成していくのだ。
第三世代からは、ちがう層の人がはいってくるようにもなる。第一世代のころは、「インタープリター」なんて仕事の種類としても認められてなかった時代から、いまや「就職先のひとつ」として選択肢にはいってくる。活動現場のことは知らなくても、出版された本は増え、WEBなどを調べて知識的にはとても詳しい層も生まれてくる。
どの世界でもそうだが、第三世代にはあまり突破力はない。創造性や、独立心もうすいことが多い。「雇われ感覚」「この組織にいれば何か学べるんじゃないかという気持ち」「育ててくださいという姿勢」が目立つ。そうなると業界自体の面白味が少しへってきたり、なんというか、全体としての勢いがなくなってきたりする。
僕たちの世代は、そういう意味で第三世代のインタープリターたちがおおいかもしれない。
なんだか、そういうのってイライラする。イライラしてもしょうがないのだが。なんというか、残念だなぁというか、もったいないなぁというか。不思議な気分になる。
僕自身への戒めも込めて、メッセージを発したい。
「僕たち自身が第一世代になろう!」
第一世代のマネをするのではなく、だれかに教えてくださいというのではなく、狭い世界の人間関係だけに長けるのではなく、自分自身で新しい世界を切り開いていこうではないか!
なんて飲み屋のおやじみたいなセリフを叫びたくなる今日この頃でした。思えばいつも僕はこうやって若者を嘆いているような気がする。僕も十分若者なのにね。