――― Marky on the WEB

2004/2/18
窓の外を見なさい

僕が「死んでしまう前に会いたい」と思っている人の一人に、ピーター・F・ドラッカーさんがいる。ドラッカーは「経営の神様」と呼ばれているひとで、マネジメントという考え方を広め、多くの経営者に尊敬されている。近年は営利だけを追い続ける企業活動ではなく、社会の公益性を追求する姿勢や、市民組織運営に関する著書も多く出している。

彼の言葉に、「窓の外を見なさい」というシンプルな言葉がある。社会の変化を見つけようとすれば、オフィスの中にいるだけではわからない。ふと、窓の外に目をやり、どのような変化が起きているのかを見つめることで、未来が見えてきたり、今本当に必要とされているサービスや事業が何かを見つけることができるというのだ。

私たちは、普段いる場所から一つ視点をはずして、外を見る必要がある。自宅から見える外、オフィスから見える外も大事だ。もう少し視点を外に向けてもよいかもしれない。東京に住んでいる人が、一歩踏み出して、東京以外の視点でものを見てみると、ずいぶんとちがってみえる。東京の当たり前は、他の地方では、当たり前ではないからだ。

同じように、日本という国の中から、一歩踏み出して外を見てみる必要もある。日本の常識は、世界の非常識。僕たちがあたりまえのように使ったり、捨てたり、遊んだり、食べたりしているものは、実はきわめていびつなものなのかも、しれない。

また、同じように、今の時代から、一歩踏み出して外を見る必要もある。今の常識は、歴史をふりかえると、非常識なのかもしれない。私たちの数多くの蛮行を、未来世代はどう見るだろうか。

加えるならば、人間の視点を一歩踏み出して、他の生物から私たちがどう見られているかを考えてみてもよいかもしれない。

いったい、何が正しいのか。何がよいことなのか。
私たちは、ほんとうは何をすべきなのか。何がしたいのか。

もう一度考え直すためにも、窓の外を見よう。