――― Marky on the WEB

2004/10/17
徳島県・海部高校にゆく


9月29日から10月1日の3日間、高校生を対象にしたワークショップをやってきた。
徳島県の海部高校(http://www.kaifu-hs.tokushima-ec.ed.jp)からの依頼だ。

いつもお世話になっている森林文化アカデミーの高田研さんに声をかけていただいて、何人かの仲間とともに7つのワークショップを行った。

東京を朝の6時に出て新幹線にのり、新大阪で高田さんたちと合流。車で淡路島を経由して徳島に入るともうお昼だ。おいしいうどん屋さんに入って2玉半も食べて幸せな気分になる。讃岐うどんも有名だが、阿波うどんも充分にうまい。ダシがきいていて、麺にコシがある。
お腹いっぱいにしながら車にゆられて海部高校に到着したのが夕方4時。思えば10時間の移動である。

海部高校はとても気持ちのよいところだった。海が近く、松林が見えている。校舎の中にはいると高校生が大きな声で挨拶をしてくれる。挨拶をしっかりできるということはとても大切なことだなぁと思いつつ、校長先生、教頭先生との打ち合わせをはじめる。

学校の様子、生徒の特徴、この地域の県民性、ワークショップや参加型学習の浸透度などをお伺いして翌日のワークショップに備えた。

いよいよワークショップ当日、僕は「会議上手になる」というテーマで28人の高校生と対峙した。想像以上に引っ込み思案な海部校生を相手にいろいろな試みをした。普段相手にしている大人と同じやり方や言葉をつかっても返ってくる反応は全然違う。今の高校生のおかれている現状とか心境を、自分がいかに知らないかを思い知ることになった。

そもそも会議というもののイメージがわかない、いい会議を体験したことがないというところから始まり、自己主張や発言することに慣れていなかったり、友達と離れることをいやがったり、グループで作業をするのが苦手だったりする。

はじめは「最近の高校生は、、、」と思っていたけれど、そうじゃない。よくよく考えれば自分が高校一年生のころを思い出してみると似たような感じだったと思う。大人の尺度で大人と比較するからうまくいかないんだと思ったあたりから、多少、スムーズに行き始めた。

会議の話題以外にも、僕個人の話し、恋愛や結婚の話し、大学生活の話し、社会に出てからどういうことが必要なのかという話しもした。会議よりむしろそっちのほうが役に立ったという高校生もいた。

明るいやつ、やかましいやつ、おとなしいやつ、するどいやつ。いろんな高校生がいた。
12年前の自分もそんな中にいたんだろうと思う。

2日間すごすだけで、僕は海部高校にとても愛着を持つようになったし(甲子園とかインターハイとかがあったら必ず名前を探します)、今の高校生がおかれている、恵まれた状況や、不憫な状況、学校の教員の方々の苦労に思いを馳せられるようになった。また、携帯電話やファストフードなど、若者をターゲットにした企業の影響力の強さや、田舎に住むことを肯定的にとらえにくい現状を再度認識した。東京に10年以上住んでいたら、だんだんわからなくなってくる感覚である。

しかし、考えれば考えるほど「学校」は大変な課題と向き合いつつある。これは他人ごとじゃない。これからも学校関連のことを「自分ごと」ととらえてゆきたいと思います。

ともかく、素晴らしい機会を得られたことに感謝です。
海部高校の校長先生、教頭先生はじめ教員のみなさんと、明るく楽しい生徒たち、いっしょにワークショップをすすめていった仲間たちに感謝であります。