――― Marky on the WEB 2007/3/13
先日、ある子育てサークルの話し合いを進行させていただきました。 ここ3年ぐらいお手伝いしている子育てサークルで、普段は、お母さんがた中心なのですが、今回の依頼は、「父親だけのワークショップ」というご依頼。なかなか子育てサークルの場には出てこれないパパにも、もうちょっと育児に関わって欲しい!という思いのある企画でした。 部屋にはいるなり、いつもと違う雰囲気だ、と感じました。 お母さんがたの集まりの場合、すでに勝手に、あちこちでおしゃべりや、「あのときは、ありがとね」みたいな会話がはじまっているのに、父親たちは、お互いを知らないこともあってか、じっとイスに座って、下を向いてる感じ。いまから何がおきるんだろうという不安もあるのでしょうか、とても固めの雰囲気でした。 「この机を運び出してください」など、体を動かす具体的なことをお願いするとすすんでやってくれるのですが、それも終わると、また会話がなくなり、、しーん。 緊張の輪がはりつめた感じです。 つくづく男は「必要がないと黙っている」動物なんだなぁと体感しました。 とはいえ、時間もきたので、ワークショップはスタート。子育てサークルの主催者の女性も、あいさつだけして、席をはずしてもらい、ちょいと緊張をほぐすアイスブレイクをして、ぐるりと自己紹介をすることに。 1,お名前 2,家族紹介 3,家ではなんと呼ばれているか 4,子育てについて思うこと、考えていること、他のひとに聞いてみたいことはあるか? の4点をぐるりとお伺いすることにしました。 すると、当初の固い雰囲気とは一変し、出るわ、出るわ。いろいろと悩みや苦しみ、出てきました。笑いあり、涙ありの現実の吐露です。 何割もの男性が、家で、パートナーから「お父さん」とか「パパ」呼ばれるようになって、「何かさみしい」と思っていることが意外でした。 子どもの前ではしょうがないかもしれないけれど、せめて子どもがいないところでは、2人でつきあっていたころのように呼んでほしいという男性が何人もいたのです。 これは、なんとなく僕も感じていた違和感でしたので、共感できました。 あとは、「子そだてをする環境として、東京はよい場所なのかと悩んでいる」「自分は、もっと子育てに時間を割きたいけど、仕事の都合でなかなかできない。みなさんはどうやって時間をつくっているのか?」「パートナーの負担を軽減するために、家事を手伝おうと思ってやってみるが、洗濯物の干し方が下手だ、とかいわれて傷ついている」という悩みも出てきました。 また、「月に1度でいいから、自分の時間がほしいと思うが、それは間違いだろうか?(妻には間違いだと言われている)」とか「子どもは叩いてしつけているが、ほんとうにそれでよいのだろうか?」といった相談ごとも出てきました。 男同士で、本音を語りながら、うちではこうするとか、「奥さんが月に一度休める状況をつくってから、あんたも休んだらいいよ」などという具体的なアドバイスまで、出てきました。 誰かが「親に殴られてしつけられた人はいますか?」と聞いて、6−7割ぐらいの人が手を挙げたのも印象的でした。 たったの2時間でしたが、本質的な悩みや苦悩がいくつか共有され、話し合われ、楽になったり、やっぱり!と思ったりで、有意義な時間だったように思います。 父親たちの子育ての悩みを話し合う場は、貴重なのだと実感した時間でした。 これからも、こういう機会を積極的にもっていきたいです。 新米パパとして、とても勉強になりました。
後日談 この父親のためのワークショップのあと、主催者の女性からこんな手紙をいただきました。 「先日のワークショップではお世話になりました。参加者の感想も上々で、夫婦の会話がはずんだ人、パパの意識が変わった人、家族ぐるみのお付き合いがはじまった人etc 予想以上の効果がありました。特に私がこの企画を考えるきっかけになった(ふだんは、ちょっとノリの悪い)パパが、交流会ですっかりうちとけてリラックスしていた姿に、ママは感激! とても感謝していました。本当にやってよかった! ありがとうございました。今後もまたやりたいです。」 とのこと。うれしいかぎりです。 ワークショップの評価は、いつも難しいなぁと思うのですが、後日になってこういうお手紙をいただけるのは、とてもうれしい。こういう仕事をやっててよかったなぁと思う瞬間です。
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