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青木将幸ファシリテーター事務所

2008/01/15
もう一つの成人式

かつては1月15日といえば「成人の日」、9月15日といえば「敬老の日」だったのに、多くの休日が3連休に組み込まれてしまい、いったい何の休日・祝日だったかよくわらかなくなってしまっている、というちょっと微妙な今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

せっかく何かのために休日まで設けているのであれば、少しは成人や、敬老や、子どもや勤労について、今一度見つめ直してみてもよいのでは? なんて最近は思っています。

というわけで、2008年1月14日に「もう一つの成人式」という企画を実施してみました!

通常、成人式というのは自治体が主催するものですが、今回の式は完全なる個人主催。

自治体が主催する成人式をニュースなどで見ていると「市長が話すが若者は聞いていない」「タレントで人集め」「ちょっと豪華な記念品を配る」「携帯で撮影会」「きものをレンタルして同窓会」「暴れる新成年を職員が必死におさえる」、、、という状況。

もちろん、なかには手作りで楽しんだり、夕張のように他者からの温かい寄付による成人式もあるけれど、多くは「うーん、これでいいのかな?」と思えるような感じです。

「こんな成人式でいいのかな?」

疑問に思ったら、批判をするより自分が行動を!

ということで、よりよいカタチを模索すべく、龍玄こと川北英樹さんと2人で開催することになりました。

http://www.workshopland.com/seijin.html

参加してくださったのは19才から40代まで、新成人を含む、15人。

遠くは新潟、静岡からもかけつけてくれました。

この「もう一つの成人式」にはいくつかの特徴を持たせてみました。

●1:出会いがある

まずはぐるりと自己紹介。通常の成人式だと、既に知り合いの友人と旧友を温めることはできても、新しい出会いは滅多にありません。名前と、今日ここに来た思いをぐるりと回しただけですが、とっても味わい深い時間でした。

せっかくこの機会に出会えたご縁を大切に、お互いのことを知り合う時間です。

●2:参加型

それから全員でテーマ出し。このメンバーに聞いてみたいこと、いっしょに探求してみたいことを出し合いました。「自分は大人だと思いますか?」「人生において愛とは?」「結婚・子育てしなきゃダメ?」「子どもに大人ってなに?って聞かれたら、なんて言う?」「こんな成人式もアリでは?というテーマで アイデア出しをしよう」など、さまざまなお題が出されました。

よし、これぞ!とみんなが思うものを、順々に話し合ってゆくというタイプの参加型進行方法をとりました。

●3:本気で聞く、本音で話す

思ったこと、言いたいことは言う。本気で問いかけ、本音で話す。そんなやりとりができる場を目指しました。時々白熱することもありましたが、自分自身の体験談や、感情、こだわり、疑問などが笑いも交えて、ぶつけられる時間でした。


●4:新成人のみが対象ではなく、全成人が対象

もしかすると、これが最大の特徴だったかもしれません。15人中、20才ジャストの人はたったの2名。すでに成人したけれど過去に成人式に出なかった人や、これをきっかけに「大人とは?」を考えて見たかった人、今時の若いやつらと語ってみたいという人など、いろんな人が参加して、一緒に話し合う時間でした。

●5:参加費はとる。でもいくらでもOK.

いわゆる投げ銭システム。0円でも100円でも3000円でもいいから、自分が納得できる金額を最後に払ってもらうことになりました。0円から5000円までの大きな幅のお金が集まり、無事、会場費等は支払える、という結果となりました。

【やってみての感想】

とてもよかった。もう一度やってみたいです。今回でたアイデアをもとに2009年には、さらに新しいタイプの「もう一つの成人式」を企画しようと、もくろんでいます。

「今時の若者が悪い」のではなく、僕たち大人の「新しい若者を迎え入れようという姿勢」が足りなかったのかもしれないな、ということに気づきました。

かつて、成人式とは、成人した若者を社会の一員として迎え入れ、一緒に地域を担い、ことを起こして行くために開催したのだと思います。

祝日法という法律には、「成人の日」の主旨をこのように書いています。

「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」

法の主旨に立ち返る、なんていうのはお堅い話かもしれませんが、今の日本においては、まさに、こういう時間・こういう姿勢を、僕たち大人が率先して生み出してゆく必要があるように感じました。

全国の成人式に関わるみなさん、いや、すべての成人のみなさん、

いっしょにいい機会をつくってゆきましょう!