――― Marky on the WEB 2009/02/22 ここ4-5年、秋田県の鹿角市にご縁がある。とくに商店街の方々によばれて行うワークショップは、自分にとって、とてもよい経験になってます。 僕がいろんな場面で、「これまでに印象に残ったワークショップは?」と聞かれてよく答えている「行ってみたら、会場が大カラオケルームだった」という体験談は、鹿角でのこと。それはそれで、有意義な経験でしたが、なんと今回はお葬式やお通夜をやる斎場(セレモニーホール)が会場。 むむむ。 これはなかなか強烈な体験でした。 幅8メートルはあろうかという大きな祭壇の中央に「南無釈迦牟尼仏」と書いてある、もちろん本格的な祭壇。 その前にて皆で車座を作り、最近ボウズ頭にした青木が進行するという、なかなかタイムリーな絵になっています。
ポストイットや模造紙を置くのは、ご焼香をする台。部屋全体がお香の香りに満ちています。聞けばつい先日もお通夜があったとのこと。なかなかできない空気感のなかでの貴重な体験です。 ワークショップのテーマは「防災・防犯」。商店の方、お住いの方、市役所や警察関係、商店街の振興会の方も集って21名の参加でした。 斎場にて防災の話を、、、という流れでこんな会話に。「我が地域の集合場所はどこかしら?」という議題でのいちシーン。 「歩いて10分かかる市民センターもいいけど、このホールが近くて皆にとって集まりやすいから、集合場所はここ(斎場)でいいのでは?」 という誰かの提案に、「でもこのホール、すぐ近くに地震で崩壊しそうな崖もあったりするし、そんなのが来たらひとたまりもないよね」との返答。「それはそれで、誰かがお亡くなりになったら、ここが集合場所になるんじゃない?(笑)」などと、なかなかブラックな笑いも飛び出す場でした。 実のところ防災・防犯をテーマにしたワークショップは初めての体験で、いったいどうやったらいいものか、行きの新幹線のなかでも悩みに悩んだものです。 しかし、実際にスタートすると僕が初めてこの町に来た時と違い、参加型の話し合いに慣れた方の多いことに驚いた。みなさんの積極的な発言や提案もあって、いくつもの具体的な方策が決定されていきます。 いざというときの集合場所・点呼方法の再確認、昼間と夜間の連絡網を別々につくること(商店街なので日中人口と夜間人口が違う。ペットも大事だからそれも含んだ名簿にしよう、うんぬん)、避難時にお手伝いが必要そうな高齢者のマップ、いざ水道が止まったときに飲める井戸の位置確認と所有者への協力依頼の方法、どんな防災訓練をすると役立つか、といったことについて話されました。 思えば、鹿角を訪れるのがこれで4回目。鹿角にてワークショップをやっている友人にきくと、「僕は今年だけで40回、1000人とワークショップをやってるよ」という話。なるほど、こういう積み重ねを日々しているから、多くの人が参加型の話し合いに慣れてゆくのかと、合点がいきました。ここまで徹底して展開している例も少ないんじゃないかと思います。頭が下がります。僕の目からみたら、鹿角は市民参加の先進地になりつつあります。 そう、それに鹿角といえば、祭りの話。 「花輪ばやし」というのは日本三大ばやしに数えられるすごいお祭りだそうな。僕は一度も見ていないのでわからないけれど、活発なワークショップの後でも、必ずこの祭りの話が交わされる。いったん祭りの話になると、ギアが四段階ぐらいあがって、がんがんにヒートアップするのがこの町の人の特徴です。みなさんが熱く、熱ーく語るので、こちらもついつい聞き入ってしまいます。 この夏は「花輪ばやし」を見に家族をつれて鹿角に行きたいなぁと思ったしだいでした。 鹿角のみなさん、ありがとうございました! みなさんのお陰で、新しいチャレンジと楽しみが生まれました。 (祭りの日の宿はすでに一杯でとれなかったけど)
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