――― Marky on the WEB 2009/05/21 「最近の若者はなっとらん」ということを言いたいのではない。僕たち自身が、若い世代をどう理解・認識しているのかについて、ここでひとつおさらいをしておきたいのだ。 僕も33才となり、「若者」というジャンルに区別しにくい世代になってきた。気がつくと、20代前半の人たちとは、どうも違う存在になっているなぁと感じなくもない。 そこで、ワークショップフォーラムgでも活用した「二十答法」をアレンジして、最近の若者理解を深めてみました。「二十答法」とは心理学の世界で使われている手法で、「私は、 」ではじまる文章を短時間に20個、書き上げることで、その人の自己認識ととらえる方法である。 今回はそれをアレンジして、「若者は、、、、 」ではじまる文章を記入してもらうことにしました。記入者は、20-30代の仲間達。けっこう面白いので、以下に記させてもらいます。 まずは、青木の若者理解。 若者は、根性がない 若者は、ロールモデルを見つけたい 若者は、役に立ちたい 若者は、成長したい 若者は、バカ騒ぎができる 若者は、本気になれるものが欲しい 若者は、みんなケータイを持っている 若者は、コピペ活動は得意 (※注:オリジナリティのあるものをつくるのではなく、何かからコピー&ペーストをしてきたような活動のこと) 若者は、きちんと火を付けると燃える 若者は、心の病にかかる 若者は、社会からハメられている 若者は、ハメられていることに気づきつつある 若者は、ブームに乗る 若者は、職を選べる 若者は、生き方を選べる 若者は、定まっていない 若者は、人に聞くことを恥じない 若者は、与えられて当然のフシがある 若者は、きちんと鍛えれば延びて行く なんだかんだといって、基本的には説教臭い感じのトーンがあって、それがちょっとイヤである。仲間に言わせると「きちんと」が2つも入っていて、青木らしいとのこと。ふむふむ。
僕と同世代でシンクタンクにつとめているAさん(33才)は、こんな若者理解を示してくれました。 若者は、視野が狭い 若者は、半年であきる 若者は、成果を急ぐ 若者は、目立ちたい 若者は、認められたい 若者は、頭がよい 若者は、優秀である 若者は、競争になれている 若者は、不況になれている 若者は、ゆるやか 若者は、古いものがきらい 若者は、PCが得意 若者は、エコ意識が高い 若者は、評価を怖がる 若者は、一貫していない 若者は、やまっけがある 若者は、打たれ弱い 若者は、周りに与える影響を考えない なんともまぁ、いかにも頭でっかちのひよっこのような若者像である。「確かに、そうだ!」とうなずけることも多いが、なんとなく若者に対して一般論的にくくるように伝わってしまうとしたら、申し訳ないような気がしてくる。それでも気を取り直して、次の方。
26才の女性で、環境問題に取り組むNGOで、リーダーシップをとっている人の若者理解はこんなです。 若者は、敏感である 若者は、野心に燃えている 若者は、飽きやすい 若者は、自分の可能性に気づけないこともある 若者は、表現することで自分を知る 若者は、本質的な構造を見れる 若者は、思い切った発言と行動ができる 若者は、勉強は好きではない 若者は、時間の使い方が粗い 若者は、体力がある 若者は、仲間を大事にする 若者は、迫害されやすい(社会のなかで、ひとくくりにされたりレッテルを貼られやすい) なんとなく、彼女が多くの若者に慕われ、自然とリーダーシップがとれているのが伝わってきます。
だんだん年齢が低くなっていって、まさに現役の大学生男子、22才の若者理解は、以下。 若者は、自分のやりたいことを明確にできない人が多い 若者は、楽しいことならなんでもやりたい 若者は、受け身の体勢 若者は、ネガティブになりがち 若者は、度胸がない 若者は、社会貢献をしたがる 若者は、環境に関心がある 若者は、時間が限られている。少ない 若者は、オリセンをよく利用する 若者は、徹夜をする 若者は、ひとつのことをきっかけに変わることができる 若者は、自分の問題と向き合う傾向が少ない
最後は僕より年上(といっても3才上の36才なのだが)の方の若者理解。彼は詩的な表現ができるので、きっと面白いのが来るだろうなぁと勝手な期待をしていましたが、案の定でした。以下、お楽しみください。 若者は、自由の刑に処せられている 若者は、目が死んでいるが楽しんでいる 若者は、個性豊かである 若者は、群れるのが好き 若者は、ケータイを持っている 若者は、新聞を読まない 若者は、いじめを容認する 若者は、漢字を知らない 若者は、芸能・スポーツに詳しい 若者は、バイトをしている 若者は、頑張らない 若者は、声が小さい 若者は、コンビニに行く 若者は、何かいいことがしたい 若者は、革命を知らない 若者は、逆らわないが、従わない 若者は、夢をもっている 若者は、心が老けている、あきらめている 「目が死んでいるが、」あたりは僕としてはクリーンヒット。こんな風に思われていて、若者はどう思うのだろうか? もちろん、若者を一般的に語り、若者はみんなそうなんだ、だからダメなんだ、ということを言いたいわけではない。ただ、傾向として、ここ十数年の間においても、確実に日本の若者は変化を見せている。 その変化をとらえ、共有し、現実と照らした見た上で、僕らの動きを考えないとな、と思っているだけです。最近の思考の共有まで、でした。 二十答法、よかったらやってみてください。
|