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青木将幸ファシリテーター事務所

2010/04/17
ファシリテーターの7つ道具

 

「ファシリテーターって、どんな道具を使って仕事をするんですか?」と聞かれることが多くあります。普通に文房具屋さんとかで売っている道具を使っていますが、確かに、それなりのこだわりをもって選んでいることに気づきました。

ここでは、僕は愛用している道具たちを紹介します。

愛着をもって接すれば、道具は思った以上の働きをしてくれます。休みの日に道具の手入れをしている時間が、とても豊かで、好きな時間です。なんだか、よい仕事ができそうな気になってくるし。逆に、手入れ不足の道具に囲まれていると、よい仕事ができなさそうな予感もします。「さぁ、会議を始めよう!」と思って、手に取ったホワイトボードが、どれも書けなかったりすると、さい先をそがれたような気持ちにも。細かなことではありますが、その積み重ねが「しごと」をつくっているようにも思います。

まずは、もっとも活用している7つ道具から。

 

1、ホワイトボードマーカー5色
全国各地に会議室があり、その多くがホワイトボードを備えています。しかし、そこにあるマーカーのすべてが満足に書けたためしはありません。置いてあるマーカーの約3割が、かすれていたり、キャップが外れたままだったり、必要な太さでなかったりします。例えば、100人以上が入れる大会議室のホワイトボードマーカーが、細字だったりするのはどうしてなのでしょう?

場合によっては、白板消し(イレイザー)さえないことも。参加者の発言をどんどん書いてゆくことが多いため、マーカーは必需品です。通常、備え付けられているホワイトボードマーカーは黒と赤。青色があればラッキーなぐらいです。ここに緑、橙色の2色を加えて持っておくと、発言の色分けのバリエーションがアップして使い勝手が広がります。

現在は、パイロット社のボードマスター(中字)を使用中。このシリーズは「ハッキリ見える濃い筆跡」をウリにしていて、とてもよく見えます。橙色も認識しやすい濃さで発色されるのは、おそらくこのマーカーだけだと思います。緑色がもうちょっと濃いとベター。さらなる改良を期待したいです。インク補充もしやすいです。

http://bit.ly/bG7a7h

そのちょっと前まで使っていたのが、シャチハタの「アートライン潤芯」シリーズ。ペン先が丸芯、角芯と選べるのが特徴。ペン先がやや柔らかく、筆圧の高い人(僕もそうです)には不向きだが、使いやすいマーカーです。

http://www.amazon.co.jp/シャチハタ-アートライン-潤芯-ホワイトボードマーカー-角芯-黒-K-529クロ/dp/B001DZINF0/ref=sr_1_10?ie=UTF8&s=electronics&qid=1271470980&sr=1-10

このシリーズのマーカーにパイロット社の詰め替えインクを補充するというパターンが最もコストパフォーマンスが高いと思う。

http://www.amazon.co.jp/パイロット-ボードマーカー用補充インキ-黒-WBMA40RFB/dp/B001CR3CSM

http://www.amazon.co.jp/パイロット-ボードマーカー補充インキ-オレンジ-WBMARFO/dp/B001CQW9V4/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=electronics&qid=1271470725&sr=8-2

 

毎回ホワイトボードマーカーを使い捨てにするのもなんだし、芯を替えるたびに、たくさんのゴミを出したいわけではないので。

 

2、水性マジック 8色
ホワイトボードに書かない場合は、模造紙やA4、A3サイズのコピー用紙に書き込むことが多くあります。そこで活用するのが水性マジック。
黒、青、赤、紫、緑、茶色、水色、橙色の8色をたいてい持ち歩いています。

ホワイトボードも同様ですが、かすれたマーカーを放置してしまうと、次に使う時に、また困るので。注意したいところ。かすれたマーカーを発見したらきちんと回収し、ペン先にガムテープを貼って「インク補充待ち」印とし、早めにインク補充をする、という手入れが必要です。

水性マジックは三菱鉛筆のプロッキーを推薦します。
http://bit.ly/ddpLeH

基本は8色セットですが、12色セットというのもあります。

同じ三菱鉛筆のポスカは液だれをすることが多く、乾かす手間がかかるので速乾性が必要な現場ではお勧めしません。ピグマックス(サクラクレパス)も淡い色が多く、ペン先がつぶれやすいため敬遠したほうがよいかと。ゼブラ社の「紙用」マッキーは、プロッキーのライバル格。悪くないです。

油性マジックだと、油性マッキー(ゼブラ社)やマジックインキ(寺西化学工業)が有名ですが、アルコールの匂いが苦手な方も多く、裏移りもしやすいので、基本的には活用しません。

 

3、付せん 数色
「ポストイット」というのは商品名。一般名称としては「付せん」だそうです。「付せん」ほど、値段で差がつく商品もありません。一見同じような色、サイズに見えても100円ショップで買ってきた「付せん」をつかって模造紙に張り出すと、会議の途中で、はらりはらりと落ちてくる「落ち葉現象」が起きやすいことも実感のあるところ。

個人的な使用感としては

100円ショップ < アスクル < ニチバン < 住友3Mの普通のポストイット< 住友3Mの強粘着ポストイット

http://www.amazon.co.jp/ポスト・イット-75mmx75mm-ノート10個パック-100枚×10-6541-K/dp/B000M7D2Q0/ref=sr_1_5?ie=UTF8&s=office-products&qid=1271472101&sr=8-5

http://www.amazon.co.jp/住友スリーエム(3M)-ポストイット強粘着シリーズ-650SS-B/dp/B000TI11V0/ref=sr_1_22?ie=UTF8&s=office-products&qid=1271472132&sr=1-22

と、コストをかけるにしたがって粘着力が強くなるような気がします。

5-7人のグループワークで使うときは7.5cm四方のものを使用することが多いですが、もう少し人数の多い場では7.5cm×12cmサイズや、それ以上に大きなものを活用することもあります。大きいサイズのものは、けっこう値が貼るのが難点。

各自で意見を書き込み、出し合って、それをグループ分けしたり、似たものをつないで考えたりするのに有効です。黄色、青、ピンクなど数色持ち歩くようにしています。

 

4、投票用シール 数色
ここ数年で持ち歩くようになったのは投票用のシール。20-50人ほどが集まった時に、全体としてどんな傾向があるかを把握するのに便利。たとえば、皆で話しているプロジェクトに関して、提案が5つあるとします。それぞれの案をA3サイズほどのコピー用紙に書いて貼りだしたうえで、「では、これから15分ある休憩時間中に、投票をお願いします。賛成するものに赤のシール、反対するものを青のシールで、それぞれ3票ずつシールを渡すのでめいめいお願いします」というだけで、休憩時間が投票タイムに早変わり。

これまでの会議だと「挙手してください」としていたこともあるでしょうが、誰がどれに手をあげたのかが明確に見えてしまうと、あとあとの人間関係にも影響することも。その点、この投票シールはやや匿名性もあって、どの意見に対する賛同が多いのか、ビジュアル的に表れるのでよいと思います。声の大きな人の意見ばかりが必ずしも通らないことが実感できたりもします。
商品としてはカラーラベル15mm(エーワン社)の赤、青、緑、黄色を持ち歩いています。たったの300円で480個ものシールが入っているのでお買い得。

http://www.amazon.co.jp/A-ONE-エーワン-カラーラベル緑丸型15mmφ-07023/dp/B000H7IWLA/ref=sr_1_9?ie=UTF8&s=electronics&qid=1271471608&sr=8-9

 

5、スズ
「チリーン♪」と音がなるものを、なにか一つ、持っておくと便利です。休憩が終わり、セッションを再開する場合も「はい、時間ですよ〜」と声をかけるかわりにスズを鳴らすと、自然に再開を促せます。
また、広い会議室で、いくつかのグループに分かれて話し合っている途中に「あと3分です」と口頭で進行役が言っても熱心に話し込んでいる人には通じないこともあります。それに、大きな声で「あと3分ですよ〜!」と熱弁すると、せっかくの話し合いを中断させてしまうことにも。そんな時には、グループワークの冒頭に「残り3分になったら、このスズをチリーンと一回ならしますからね。スズが鳴ったら、あぁ、あと3分か、と思ってください」などとお伝えしておくとスムーズです。

ちなみに、僕は長野の営林署御用達の「熊よけの鈴」を愛用中。シンプルで、美しく、通る音がします。コンパクトなのもうれしい。

 

6、ストップウォッチ
限られた時間のなかで会議やワークショップを進行する日々です。やはり、時間管理がひとつの鍵を握ります。そこで、時刻が見やすい時計が会場にあることや、使い勝手のよいストップ・ウォッチは必需品です。
いわゆるキッチンタイマーなどでもよいのですが、現在青木が使用しているのはタイムキーパー(SEIKO社)という商品。1分、3分、5分とワンタッチで時間指定ができる「ロータリースイッチ」は非常に便利です。今出ている白いモデルだと、バイブレーションの機能もついていて、無味乾燥な機械音を出さずに時を知らせることも可能なのはすばらしい。
http://www.amazon.co.jp/セイコー-SSBJ023-SEIKO-TIMEKEEPERVIB/dp/B000ARSPY6/ref=pd_sim_sg_1

 

7、iPhone
iPhone を手にしてから、パソコンを持ち歩く機会が減りました。会議中は電源を切っていることも多いですが、宿泊先や移動中など、どこでもメールや天気のチェックができるのはありがたい。場合によっては会議室に流すBGMのプレーヤー、音声レコーダーやカメラ、ストップウォッチ、プレゼンテーションツールなどの役割もこなす多機能アイテム。

 

この7つ道具の他にも、素晴らしい小道具達は、もろもろありますが、それらについても、また書き足してゆこうと思います。

「あの道具、使ってみたけど、あれはよかったよ」など、情報があれば、ぜひ教えてください。僕も試してみます。

将来的には、文具メーカーさんと一緒になって「会議をよくする道具開発」とかしてみたいなぁ。