――― Marky on the WEB
青木将幸ファシリテーター事務所

2012/11/15

『十人百回』

 

「ファシリテーターとして一人前になるためには、どうしたらいいのでしょうか?」

最近、よく聞かれる質問です。

「大学とか、そういう関連の専門の教育機関で学んだほうがよいのでしょうか?」とも。

まぁ、そういう選択肢もあるでしょうが、僕はこう応えるようにしています。

「十人百回、ですね」と。

「十人」の異なるタイプのファシリテーターと出会い、その人のやり方をじっくり体験して、自分の体に入れる。色々な「師」やモデルに出会う段階です。「おー、この人のようになりたい!」と強烈にあこがれたり「絶対に、こうはなりたくない(もしくはなれない)」と感じる個性的なファシリテーターに出会うってのが、入り口じゃないかな、と。尊敬する一人の師匠につくのもよいけれど、色々なファシリテーションを体験してみることで、より相対的に自分が大切にしたい何かに出会えるように思います。

それから「百回」。

自分なりに責任を持ってファシリテーターをつとめる「現場」をたくさん踏む、ということです。2回や3回やってみて「これで上手くいけそう!」とか「やっぱり自分には向かない、、、」などと思うのは、ちょっと早すぎる。もし、一人前になりたかったら、下手でも百回ぐらいはやってみたいところ。場数を踏むと見えてくる視点もあるし、自分なりのスタイルが表れてきて、色々なケースに対応できるようになってくる。そうやって、だんだん一人前になってゆくんじゃないでしょうか。

僕が出会った一人前のファシリテーターは、「十人百回」をおおむね経験しているように思います。ファシリテーションを究めたい皆さんには、ぜひ、よき十人と出会っていただきたい。


で、僕が出会ってきた「十人」のファシリテーターって誰だろう? と振り返ってみました。

そのひとりが、難波克己さんです。

僕が出あった当時、難波さんは、プロジェクト・アドベンチャーの指導者をしていました。
半分英語まじりの、すばやいトークと、豊かな反応と、さまざまなアクティビティが流れるようにくりだされる場に、僕自身が溶け込め、チームワークや、自分自身の限界へのチャレンジを体感するとても魅力的な時間であったことをよく覚えています。

それ以降、色々な指導者が展開するプロジェクト・アドベンチャーも体験したのですが、僕のなかでは難波さんの持つ「流れ」は独特で、かつ一流のものなのと、後になって分かった記憶があります。

現在、難波さんは玉川大学学術研究所・心の実践センターで、アドベンチャー教育の研究を深め、その視座は、国内外のあらゆる分野の先駆的な科学と融合しつつあるように、僕には見えます。先日、お会いした時には「アドベンチャー・リーダー・シップスクールをつくるんだ!」という夢を語って下さいました。

来る12月14-16日に淡路島で、そんな難波さんとすごす三日間のワークショップを企画しました。難波さんのファシリテーションにふれ、「知の宝庫」を共有し、アドベンチャー・リーダーシップを体感するなかで、未来を語る時間となるでしょう。

難波さんは僕がもっとも尊敬し、あこがれるファシリテーターのお一人で、ぜひみなさんにご紹介したい方です。

ピンときた方は、ぜひご参加下さい。