2014/11/25
『空き家をさがしています』
最近、集落の方に「空き家を探しているんですけど、ありませんか?」と聞いてまわっています。「この集落も人口が減ってきて、このままいくと幼稚園や小学校も維持できなくなりそう。それは、もったいないと思うんです。僕たちの友人で、ここに住みたという人も何組かいるので、ご協力願えないでしょうか?」と。
僕が住んでいる淡路島の津井という集落は、瓦の産地です。かつてはとても景気がよく、立派な家もたくさんあったのですが、瓦産業の落ち込みや、少子高齢化の波は強く、幼稚園の児童数の推移などを見ても、どんどん減る傾向に。これでは、いけないなぁと思って、個人的に、津井への移住促進をできる範囲でやってみることにしました。
実は、僕たちが、淡路に引っ越しを検討していた3年前も、ぐるぐると近所を周り、空いている物件を探したことがあります。いくつかよさげな家はあるけど、不動産屋さんの情報には出てこず、かといって地主さんと話をつけられるコネクションもなく、なかなかアプローチできなかった記憶があります。
でも、引っ越してきて2年半が経って、地域のお祭りなどに参加したり、草刈りなどで近所の人とふれ合ったり、地元の商工会で会議進行させてもらたり、瓦の音楽プロジェクトで、色んな瓦師さんと知り合ったりするなかで、最近は、「空き家、ありませんか?」と聞くと、いくつか教えて頂けるようになりました。地域には、たくさん空き家はあるけど、いきなり見ず知らずの人に貸したり売ったりは、しにくいもの。少しずつ地域の方に信頼してもらってきたのかな、とうれしく思っています。
今や、日本中の地域が少子高齢化で、人口減少は激しく進んでいます。婦人会や、お祭りや、地域の組合などを解消・解散せざるを得なくなった、幼稚園や小学校が維持できなくなったという話は、たくさん聞きます。一方で、都会から出て、地域で住みたいという気持ちを持つ人も、増えてきて、うまくマッチングできたらいいんじゃないのなか、と思うところです。僕は個人的に知り合った人で「この人だったら、津井に住んで欲しいな」と思う方に「ねぇ、津井に住むのって、どうでしょう?」と呼びかけるようにしています。
僕の知り合いが住んでいる徳島県の神山町では、「こんな職種の人、募集中。ぜひ、我が神山に住んで、仕事をしませんか?」と、積極的な移住施策を打っています。これもなかなか興味深いところ。これから先の時代、面白い地域に、面白い人が集まってくるだろうと思います。僕が住むこの津井という集落も、面白く、活気のある人が集まって、「仕事がない、仕事がない」と嘆くのではなく、一緒につくっていけるといいな、と。
そういえば、うちの近所にはおいしいパン屋さんがありません。ゆったり人が通えるカフェや、気軽に飲みに行ける居酒屋やバーもありません。集落で宿泊施設というものがありません。ないので、皆、車で15分も20分もかけて、隣町で買い物をしたり、飲んで代行で帰ってきたり、客人をお送りしたりしています。でも、うちの集落で、それらの店があると、けっこうニーズがあるんじゃないのかな?と思うところです。
本当に美味しいパンやさんができれば、半径30キロ以内から、皆がこぞって買いにくるはず。本当に落ち着けるカフェがあったら、島外からも楽しみに来る人が増えるはず。気軽に飲みにゆける居酒屋やバルがあったら、地元の瓦師さんたちと、いっしょに飲みに行きやすいはず。地方で、こういう仕事を組み立ててみたい人、ぜひ来てほしいな、と思うのです。
淡路島の片田舎ではありますが、津井は本当によいところです。
移住云々はさておいても、一度、ぜひ津井という集落を見に来てほしいな、と思います。独特の瓦工場の町並みや、海に沈む夕陽や、集落の細くて味のある道や、屋根瓦が立派な家々を見て欲しいと思います。
ご案内が必要だったら、いつでも声をかけて下さい。ミニ・津井ツアー、承ります!
いくつか空き家のご案内もできるようになってきたので、移住の相談にも乗れますよ。
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