――― Marky on the WEB
青木将幸ファシリテーター事務所

2008/04/21
故人を偲ぶワークショップ、実施報告

みなさんこんにちは。

「冠婚葬祭の在り方を自分なりに見つめ直したい」いうかねてからの思いを、

最近カタチにしつつある青木将幸です。

今回見つめ直したのは、葬式、葬儀、葬送の「葬」。

亡くなった人を弔い、偲ぶスタイル・在り方について、自分流にデザインしてみたいと思い、トライしてみました。

とはいえ、僕の都合で、いきなり誰かのお葬式をやれるわけでもないので、既にお亡くなりになった方の、法事的な儀式を考えてみました。

僕の師匠である藁谷豊さん(ワークショップ・ミューという企画会社を立ち上げたプランナー)が亡くなって5年になることもあったので、

「故人を偲ぶワークショップ 僕たちが藁谷さんから学んだこと」と題して、先日、小さなワークショップを開催いたしました。

   ※広報文はこちら

あまり大人数にしたくなかったため、大々的には広報せず、参加者は8名。

じっくり話せてちょうどよかったです。

故人に仕事や企画の在り方を教わった同世代や、僕の先輩のプランナーが6名と、故人とは面識がないけれど、一度あって見たかったなぁと思っている若手が2名の参加で、ゆるゆると進めました。

◆こんなことを話し合いました

・まずはぐるりと自己紹介。自分と故人とのつながり、おつきあい、今日話し合ってみたいこと、について簡単にトーク。

・故人のプロフィールと、主な仕事年表をもとに、藁谷豊さんとは、いったいどんな人だったのか? をおさらい。どんな時期に、どんな問題意識をもって、どんな仕事をしていたかを確認。彼がつくった書籍や施設など、いくつかのプロジェクトをスライドショーでふりかえりました。

・その後は、いくつかの問いを皆で出し合い、それぞれに答える、というやり方をとりました。

Q:故人・藁谷さんを一言で表すと?

→ひょうひょう、おしゃべりな人があつまる、仕込みが早い、そのうちなんとかなるよーと声をかけてくれる、事務所の壁の後ろのほうにいる人、だめ男が集まってくるなど、いろいろな言い方で表されました

Q:故人・藁谷さんにしてもらって、うれしかったことは?

→研修会とかであっても気軽に声をかけてくれた、見守ってくれた、若いスタッフを信じて全面的にまかせてくれた、それでいて面倒なことには巻き込まないでプランニングに集中できる環境をつくってくれた、仕事の役割分担を決めるときに「やりたい?」と聞いてくれた、、、 など

Q:故人・藁谷さんから教わったこと、学んだことは?

→実はあまり仕事上のテクニックは教えてはくれなかった。基本は「自分で考えてね」。その代わり、企画書の実例をみせて、これを参考につくってみて、と渡してくれたりした。

→細かいところでいくと、紙の切り方、封筒での書類整理の仕方など

→ブレストの楽しさ、ヒエラルキーのなさ、会議でみんなに好きなように発言させ大混乱しておきながらも、最後に納得のいくまとめをポンと出すスッキリ感、手書きの企画書、どんなに難しい話題でも分かりやすく話していた、その人のいいところや隠れた才能のようなものを「こういうの、できるよね?」といって引っ張りだしてくれた など

 これらは、教わったというより、藁谷さんの姿から学び取ったことかもしれません。

この他に

Q:反面教師的に学んだことは?

Q:今の時代に生きていたら、何をしたいだろうか?

Q:藁谷さんが亡くなったときに、周りの人がどんな言葉を発したか?

Q:藁谷豊の魅力、特徴はどこにあったのか?

などなどを、藁谷さんが好きだったマウンテンデュー(緑色した不健康そうなジュース)を飲みつつ、語り合いました。

うーん、楽しかった。終始笑いが絶えませんでした。これも故人の人柄が現れているように思います(他の人であればそうはいかなかった)

◆やってみてわかったこと、感じたこと

・5年後というタイミングにふりかえるのは、悪くない(直後だと、悲しみや覆われ、事後処理に追われていて、なかなかこういうことを話せる状況にない)

・一周忌、三回忌など、法要をすませた食事の場などで、同様のことが話されているのかもしれない(そう考えると過去から連綿とある法事にはやはりそれなりの意味があるが、最近失われつつあるんだなぁ)

・藁谷さんのような人は、二度と現れない。その人のマネはそうそうできない。その人は、その人。ただ一人。僕らは僕らの人生を歩むしかない。

・藁谷さんは、つねに張り合う相手というか、刺激を受け合う仲間を持っていた。そういった仲間がいるから成長し、新しい世界を切り開けたような気がする。(自分ももう少し意識したい)

・職場や働く空間、場づくりは、やはり大事。どんな場所で、どんな仲間と一緒に仕事をするか、もう少し見つめたい。

以上です

ご参加、ご協力くださったみなさま、ありがとうございました!